イソフラボンには効きやすい人と効きにくい人がいる?

イソフラボンは大豆に含まれる栄養素で、女性ホルモン・エストロゲンと同じような働きをすることから、エストロゲン様物質と呼ばれています。
特に女性の場合は、生理前後や閉経時にエストロゲンの分泌量が減少し、身体に不調が生じるため、このイソフラボンの摂取が勧められています。

しかし人によっては、しっかりと毎日サプリでイソフラボンを摂取しているのに、望むほどの効果が得られない、と感じるかもしれません。
その答えは「腸内環境」と関係があります。

イソフラボンには糖と結びついた「グリコシド型」と、糖が取れた「アグリコン型」があります。
アグリコン型イソフラボンは味噌や醤油などに多く含まれており、それらの食品を食べることで、直接体内に吸収されます。
大豆の中に元々多く含まれるのはグリコシド型で、このグルコシド型は腸内細菌の酵素で分解されて、初めて体内に吸収することができます。

逆に腸内細菌の働きが悪いと、グリコシド型は分解・吸収されずに、体外に出て行ってしまいます。
人によってこの腸内細菌の量が異なるため、イソフラボンが効きやすい人・効きにくい人に分かれてしまうのです。

さらに、イソフラボンの中にも「ゲニステイン」「ダイゼイン」「グリシテイン」の3種類があり、腸内環境に大きく影響されるのが「ダイゼイン」の吸収です。
ダイゼインは腸内細菌の働きにより「エクオール」に代謝されます。

このエクオールは「スーパーイソフラボン」とも呼ばれるほど、私たちの体にとても有益なものです。
他のイソフラボンと比較しても、最もエストロゲン様作用をもった成分と言われています。
特にエクオールは女性の更年期症状の緩和、骨粗しょう症の予防に大きな効果があると報告されています。

このエクオールの代謝量を決めるのが、腸内に存在する酵素「エクオール産生菌」です。
このエクオール産生菌が多い人ほどエクオールを多く生成でき、逆に少ない人はエクオールの生成量が限られてきます。

つまりイソフラボンを分解・代謝する腸内細菌が多い人ほど、体内に吸収できるイソフラボン量を増加させることができ、反対に少ない人は、どれだけイソフラボンを摂取しても、吸収する量が限られてしまうということです。

もちろん腸内細菌を増加させる方法はあります。
それは、イソフラボンを毎日適量摂取することです。
毎日しっかりとイソフラボンを摂取している人は、そうでない人に比べてこの腸内細菌の量が多い、ということが調査によって報告されています。