イソフラボンサプリにデメリットはある?
イソフラボンは大豆に含まれる栄養素で、女性ホルモンの「エストロゲン」に化学構造が似ているため、エストロゲン様作用を体にもたらしてくれます。
女性の場合、イソフラボンをしっかりと取り入れることで、月経前症候群(PMS)を緩和し、自律神経を整え、骨を丈夫にするという効果を期待することができます。
男性にとっても、薄毛の予防や疲労回復に効果があるため、必要不可欠な栄養素です。
このイソフラボンは大豆に含まれるものなので、大豆製品、例えば味噌汁や納豆などを食べることで、必要な量を摂取することができます。
しかし現代人の食生活では、イソフラボンが欠乏しがちである、という研究結果が報告されています。
そこで便利なのが「イソフラボンサプリ」です。
食事で不足する分をサプリで補うことができます。
しかし、サプリメントでイソフラボンを摂取する際に最も注意すべきなのは、「過剰摂取」です。
食事による過剰摂取の問題は今のところ報告されていませんが、逆にサプリメントによる過剰摂取の問題は報告されています。
その一つが子宮内膜症です。
子宮内膜とは、その名のとおり子宮の内側にある膜のことです。
女性ホルモンのエストロゲンは子宮内膜をコントロールしています。
子宮内でこの内膜が生成された場合、月経の際にそれは自然に剥がれ落ち、体の外に排出されます。そのため何の問題もありません。
しかし子宮の外でこの内膜が生成されるとき、子宮と違ってそこには出口がなく排出されことがないため、血液のかたまりとなり、周囲に癒着して、さまざまな障害を引き起こすようになります。
これが子宮内膜症です。
イソフラボンを過剰摂取し、エストロゲンが体内に常に過剰に存在していると、子宮内膜を必要以上に生成してしまい、子宮内膜症の発症リスクを高めてしまうのです。
もう一つの問題は、更年期障害のような「ほてり」です。
エストロゲンのほかに挙げることのできる代表的な女性ホルモンは、プロゲステロンです。
プロゲステロンは主に妊娠を助けてくれるホルモンです。
そのため、基礎体温を上昇させる作用を持っています。
しかし、イソフラボンの過剰摂取によって、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れてしまいます。
体外からエストロゲン様作用を持つイソフラボンが大量に入ってくる際、その量とバランスをとるために、体は同じく過剰な量のプロゲステロンを生成しようとします。
結果的にプロゲステロンの作用が強くなり、体温が常に高く保たれてしまうのです。
内閣府の食品安全委員会は、サプリによるイソフラボン摂取の一日の上限値を、30㎎としています。
この数値を参考に、適量のイソフラボンを摂取しましょう。
参考:イソフラボン摂取時の注意事項